恋愛依存症を克服するには、その原因を自分自身が把握し、理解する事が大前提になります。それは風邪でさえ原因を見つけないと、対処のしようがないですから、それは心の問題も同じなんですね。
一般的に普通の家庭環境であっても、恋愛依存症、上手くいかない人間関係の原因に、「幼少期の養育」が大きく関係しています。
参考までに、ご自身に照らし合わせて読み進めてみてください。
【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】
一般社団法人全国心理技能振興会
認定心理カウンセラー:2011年から4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施
愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ
依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。>>相談できるカウンセラーのプロフィールはこちら
■「恋愛依存症」の原因をもう一度見直してみましょう
恋愛依存症(共依存症・回避依存症)は、
幼少期の家庭環境や養育によって形成されるのですが
(★人間関係が上手くいかない、
人との距離感が分からない方もここに当てはまります。)
カウンセリングを受ける方の中には
「恋愛依存の原因が幼少期に思い当たらない」そのように思う方もいらっしゃいます。
その理由としてあげられるのは・・
● 恋愛依存は親の愛情不足が原因だと、ネットや本に書いてあるけど、私は愛されていたから関係ない気がする
● 私の母親は専業主婦でいつも家に居てくれたから、寂しい思いはしてなかったから原因は無いと思う
● 母親との関係は昔は悪かったけど、今は仲直りして、うまくやっているから幼少期の問題はもう大丈夫だと思う
●大人になってから、幼少期のことを親に話して和解したから、幼少期の問題は終わっていると思う
● 特に家庭環境に問題もないし、両親の離婚もなかった。ごく普通の家族だったから思い当たらない
などが多いのですが
そのような中でも特に、一般的に普通の家庭と言われる環境で育てられた方、親に愛されていた感覚がある方は、幼少期に原因があるとは思いにくいのかな?と感じます。
思い当たらない…
なのに、
恋愛依存症の診断シートが当てはまる
人間関係で不自由を感じる
自分に自信が持てない
生きづらさを抱えている
実際にそう思うようであれば、
今まで見ていた以外の部分に原因があるのかもしれないですね。
その判断基準の一部として
・自分が望む愛し方で満たしてもらえてたか?
・親からの愛情が健全であったか?
・大人になった今の関係性ではなく、幼少期の頃の関係性
・大人の感情の満足ではなく
幼少期の頃の感情に未完了は無いか?
・今の大人の自分は「仕方ない」でも、子供の自分の目線でも同じ考えなのか?納得しているのか?
この辺りが最も重要ですから、
幼少期の自分を思い出しながら
もう一度見直して頂けたらと思います。
■親の愛情が「不健全」であれば「恋愛依存症」は形成されやすくなる?!
親に愛されていた実感があったとしても、
恋愛依存症(回避依存症、共依存症)が形成されてしまうこともあるのですが
それはなぜかと言うと
愛情を与えられてたとしても
親の愛情の在り方が健全だったのか?
歪んだ愛情表現ではなかったか?
そこが重要でもあるからなんです(^^)
まず不健全な愛情の在り方とは・・
親の理想の娘に仕立てるため、
「親の価値観」「親のルール」
「親の正しさ」を押し付ける愛情
親の寂しさ(夫との不仲、幼少期の愛情不足)や、満たされない何かのを埋めるために子供を道具のように扱う愛情
親の気分や都合によって、
構ったり、可愛がったり、怒ったり
一貫性のない愛情
親と子の立場が逆転し、
子供に大人の世話(情緒面、生活)を手伝わせ、「子供らしさ」を奪う愛情
このことを指しますが
逆に健全な愛情の在り方は・・
無条件な愛情
ありのままの子供を受け入れる愛情
大切な存在として扱う愛情
子供の考え、意見
生き方を尊重した愛情
親と子供の間には境界線があり、
子供としての立場が
守られる愛情
子供にとって
安心安全な居場所と思える環境や
養育態度である愛情
どちらも愛ですが同じ愛でも
歪んだ愛情では人の心は満たしきれないので、
残念ですが「愛情不足」を引き起こしてしまいます。
こうした不健全な愛情を与える家族を、
機能不全家族と呼びます。
(病名ではありません)
関連記事:機能不全家族(アダルトチルドレン)の特徴
ですが私達は、
他人の家庭を知らずに育ちますから、自分の育った家族が「普通」と思いがちですよね。
だからと言って、恋愛依存症になる人の環境や家庭が異常だという意味ではなく
人間には本能的に適応能力がありますから、住めば都ではないですけど
そういうものなんだと、当然のように受け入れてしまうのかもしれません。
特に幼い子供であれば、
大人のような判断は付けられないですから
親が絶対で正しいと思ってしまうのも
仕方がないことだと思います。
こうして子供の頃の家族関係では
普通の感覚、普通の価値観
当たり前の交流だったものが
大人になってからの
恋愛を含む人間関係の中で
うまくいかない…
通じない…
同じような苦しさを何度も味わう…
こうした生きづらいような感覚が芽生え
はじめて自分の心の中の苦しさに気づいていくものです。
私がそのひとりでしたが、
気づかないふりを長いことしてたので
私なんか変…そう気づいていても、
認めるまでに時間はかかりました・・・
認めてしまったら、
親も自分も否定する気がして
怖かったんですよね。
でも人間は、こうした無意識下にある認めたくない恐れを抱えていると
幼少期のことを見なくていいように
自分の中にある原因を、
他人のせいにしたり
他人に答えを求めたり
自分は「もう大丈夫!!」だと、
無理やり自分を納得させて
落ち着こうとすることもあります。
納得させたとしても、
心の中の違和感は置き去りのままなので
苦しいことに変わりはないんです。
実際は向き合った方が、
恋愛依存の原因を癒すことができるので
楽にはなるんですよね。
だからといって、
私のカウンセリングでは
無理矢理向き合わせるとか、
そのことを指摘するとかはしません。
その部分は自分で乗り越えなきゃならないところだからです。
そしてありのままの状態でもOKだというスタンスでお話を伺っていますから
クライアントさん自身が乗り越えるまで、
一緒に付き合っていくつもりで見守っています。
幼少期の頃を思い出すことに抵抗を感じる方は・・
幼少期の頃の自分の感情を認めることは、
親が選択した育て方の誤りや誤解を認めることであって
親の存在や愛情を否定することではない
そのことも覚えておいてくださいね(^ ^)
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