【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】
一般社団法人全国心理技能振興会
認定心理カウンセラー:2011年から4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施
愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ
依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。>>相談できるカウンセラーのプロフィールはこちら
■恋愛で感じる苦しさに怖がらない心をつくる
恋愛依存症に悩まれている方とのカウンセリングでは
「恋愛依存症の人が苦しまなくて済む別れ方ってありますか?」
というご質問を受けることがあります。
回答の前に・・・・
何故、このような疑問を持つのか?
カウンセリングでお話が進んでいくと、その方の「心の訴え」が見えてくることがあるのですが
どちらかと言えば、本当に別れたくて質問しているというよりも
恋愛依存症の苦痛から
なかなか抜け出せない苦しさを抱えていて
もう打つ手がないところまで追い詰められている状態にあるから
「彼氏」という存在から離れたら
依存による苦しさも一緒に解放されるのではないか・・・
そう考えての「別れ」という選択なんですよね。
別れた時の苦しさ、その後の心の状態も気になるところとは思いますが、それ以上に
付き合っていることで感じることになる「苦痛」が嫌で仕方ないということではないでしょうか。
彼そのものから離れたいというより、恋愛すると出てくる不安や嫉妬、疑い、怒りなどの
苦しくて強い感情から離れたいという方がほとんどなんですね。
では恋愛依存症の人が実際に別れるとどうなるのか?
恋愛依存症の重さによっても変わってくるとは思いますが、恋愛依存症の特徴に三つ以上当てはまる方は
正直にお伝えしますと・・・
恋愛依存症を克服せずに別れる場合
同じくらい夢中になれる次の恋愛を見つけてから別れれば、そこまで苦しまなくて済むと思います。
または、彼氏という存在を作らなければ、依存による苦しさを感じなくて済むと思います。
ただ、心の中にある「苦しい感情」が「ある」ということは変わりがないので
一時的に苦しさから離れることはできますが
苦痛自体は、カタチを変えて出てくる可能性は高いと言えます。
関連記事:最新版!心の専門家が作成した「恋愛依存症の特徴」無料チェック診断はこちら
これを読んで、中には厳しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが
長年のカウンセリング経験や自身の経験から言えることでありますし、これが真実なんですね。
じゃあこのような状態にある方は、どうしたらいいのか?ということですが
すごく簡潔に、一言でお伝えすると
まずは
恋愛を通じて感じる不安や苦しさに、いたずらに怖がらない心をつくること
長年カウンセリングをしていて思うことは
恋愛依存症による苦しさを抱えながらも、恋愛を通じて感じる不安や苦しさに対して
「半ば諦めの境地」に近い状態にある方ほど、克服への進展が出てくる傾向があるんですね。
諦めの境地とは?
諦観(ていかん)に近い感覚ですが
意味としては:全体を見通して、事の本質をはっきりと見極めること
超然とした態度をとること
修羅場や死線を潜り抜けることによって、新たな境地に至ること
このような意味を持ちます。
どういう事かと言うと・・・
恋愛依存症だけではなく、人が心の中の苦しさや辛い思いに悩み、解決を考えた時というのは
「どうしたら、消えるのか?」
まず先に無くすことを考え、無くすことを頑張ろうとする動きをしがちなんですが
心の中にある苦しさ、それもなかなか解決しない問題は、魔法のように無くせるような、そう単純な話ではないんですよね。
簡単には無くらないものを無くそうと頑張るから、空回りしたり、今すぐ何とかなる解決方法に飛びつて
結局また同じ苦しさを繰り返し
「やっぱり私には、恋愛依存症を克服できない」と、短絡的に結びつけて
自信を無くし、動けない……
自分が幸せになることも諦める……
という流れを作っていることになります。
ですので、まず先にやるべきことは
●心の中に、どんな苦しい思いがあるのか、
それはどれくらい強くて、いつからあるのかをできるだけ正確に把握すること
●自分の中にある感情、それがどんなに黒い感情だろうと、ジャッジではなく「ある」という認識をすること
この状態をしっかりと作れてから、その先にやるべきことが段々と見えていきます。
ここで「それをやれば楽になりますか?」と思っている段階では
まだどこか、
苦しさを消したい思いがあったり
まだしっかりと「現状を把握」すると言う状態は作れてないと判断していいと思います。
苦しさを消したいと思うこと自体が悪いわけではないですが、自分の中の何かを「消す」と言うのはある意味
軽く自分を否定している事と同じ感覚になりますから
否定されてる心は楽にさせてあげられないと思うんですよね。。。(T-T)
私がここで言いたいことは
誰でも諦めの境地になろうとしてなれるものではないですから、そうなれと言っているわけではありません。
本当の意味での「諦め」というのは
”明らかに真相を認める” ということですから
これは色んな苦い経験や失敗だったりを何度も経験し、辿り着く思いではあるので
ここも含めて
「自分は今、どんな状態なのか?」「どの段階に立っているのか?」ということを把握してほしいんですよね。
それを自分自身が分からなければ、分かろうと心に耳を傾けなければ
精神的な影響による苦しさから、なかなか解消されない現実になってしまうと思います。
「自分のことを冷静に、客観的に見続ける自分」になることで、不安や苦しさにいたずらに怖がらない心つくりに繋げていけます。
もし仮に、本当に別れを考えているなら、
この状態になってから別れた方が心の負担は減らせるでしょうし
感情的に別れて後から後悔するよりは、ずっとマシだと思います。
どんな課題や問題も解決していくには、とても地味ではありますが、こうした一つ一つの積み重ねによって確かな結果を出すことができます。
それはスポーツが上達したり、筋トレで筋肉を増やしていく事と同じ原理原則だと思っていいです。
ですがあまりにも今の恋愛が苦しい渦中にいる方の場合は
まずは自分が自然と呼吸が取れるところまで心を離すところから始めてもいいかもしれません。
どちらにしても、苦しさを消すとか無くすということを目的にするのではなく
辛い心にある自分に、無理はさせず、心で寄り添うような取り組みをお勧めします。
これが遠回りのようで結果的に近道になりますから
「彼に依存する自分」「依存が辛くて別れたい自分」「何もかもから逃げたい自分」
どの自分も全て
なるほど、今はそうなんですねと、認められるといいですね(^ ^)
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★編集後記
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諦めの境地と言えば?
私をよく知る人から肝が据わっていると言われますが、確かに変に冷静なところはあると思います。
幽霊とか虫とか、こわがりな面もありますが(笑)
これも辛い家庭環境やそれを乗り越えた経験で得た強さと思っていますが、実は自分の中のネガティブな部分って
自分の力に変えることもできるんですよね。
特に辛いお思いを経験されている方には、ネガティブなままで終わらずに、これからの人生の力に変えて頂きたいと
密かながら願っています(^ ^)
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●恋愛依存症による「彼氏依存」から抜け出す方法
【目次】
⑴ 冒頭の説明(依存感情が抜けていく過程など・・)
⑵ 恋愛相手を変えても、依存感情が繰り返される原因
⑶ 依存感情はどうしたら満たされ、解消されていくのか?
⑷ 恋愛依存の感情を癒すとは?
⑸ 依存感情を癒す方法(ワーク付き)