■過去のことで涙するのは「記憶の傷」が関係しています
恋愛依存症やアダルトチルドレンの克服をテーマにカウンセリングに取り組む方とのお話では
過去に感じた感情を振り返り、色々な思いを整理していく流れになっていく事が多いのですが
やはり過去の辛かった経験や嫌な気持ちを思い出さなければならないので、涙が止まらなくなる方がほとんどですが
「何に泣いているのか?」
「何故、今だにこんなに涙が出るのか?」
ご本人にも理由が分からないとおっしゃることがあります。
この涙の正体は <記憶の傷> が深く関係しています。
例えば可愛がっていた犬や猫との死別してしまった悲しい思い出があるとして
どんなに深い悲しみだとしても、悲しみは時間をかけて悲しみきれば、自然と癒えて、記憶は薄れていきます。
ですが記憶の傷が伴う悲しみの場合、心の反応は変わってきます。
例えば大人になった現在、何十年も前に起こった過去の出来事を思い出した時に
まるで昨日のことのように涙するのは、起こった出来事にたいする <心の傷> が癒えないまま、今も残っている事が考えられます。
心の傷が伴う悲しみの正体は、
別名 <未消化な感情> とも言いますが
体は大人に成長したとしても、心の傷の痛みは今も同じ痛さで続いているから思い出すと苦しくなるんですよね。
「悲しい思い出」と「心の傷の思い出」は別という事です。
こうして放置された心の傷をさらに放置すると、恋愛依存症、SEX依存症、買い物依存症などの依存行動や、不眠、鬱状態、自己否定感など
「心の問題」となって、
心の苦しさの存在を知らせてくれます。
心に傷ができてしまったとしても、成長過程の中で、愛ある人との関わりや、周りの大人からのサポートなど
何らかのケアが少しでも出来ていれば、心の傷が癒されてくこともありますが
心の傷の深さによっては、適切に癒していかなければ、その傷は残ったままとも言われています。
残った傷を感じないように抑圧し、蓋をすることは可能でも
様々な人間関係を通して感情が刺激される出来事によって
過去を再体験しているような感覚が戻ってきます。
恋愛に依存せざるを得ない方というのは、その傷を何かや誰かで満たそうと
恋愛相手や身近な人間に、心の傷を癒してもらう事を求めるように過度な期待をしたり
過去に父親母親に対して満たせなかった思いを解消しようと依存していきます。
その感情が解決しないのは、本当に伝えたかった相手、本当に分かって欲しかった相手ではないからなんですね。
この傷を癒すためには、自分の中のインナーチャイルドの存在に気づき、心で繋がることです。
過去に起こった出来事を変えることはできませんが、出来事に沿って感じた感情や、物事に対する受け取り方は変えることはできます。
私自身もアダルトチルドレンの克服に、インナーチャイルドの癒しを取り組みましたが
いざ過去の「心の傷」を見ようとすると、怖いと感じる時もありました。
でも自分の感情と向き合って、根気強く癒しつづけた結果、過去の感情を再体験するような出来事は減り
例えこれまでと同じようなことが起こったとしても、気にならなくなりました。
なので過去の未消化の感情を消化するには、まずは自然と湧いてくるありのままの感情を自分で認めてあげることです。
涙を流す自分に「泣いていいよ」「感じても大丈夫だよ」って、感情を感じる自分を許すことで癒しが進んでいきます。
過去の癒しの作業は一人で取り組むよりも、カウンセリングやセラピーがとても効果的ですので
必要な方は一人で抱え込まずに、いつでもご相談ください。
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【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】
2011年から心理カウンセラーとして、4700件以上(2022年現在)のカウンセリングを実施
主に愛着障害、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ、心の傷や問題
親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。
過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。